長期的に将来を見据え、社会に必要な力を養う

未来に向けた準備期間ともいえる高校3年間。豊島学院が行う「キャリア教育」では、将来を見据えながら“本質を理解する力”の育成を目指しています。目まぐるしいスピードで予測不能な変化を続ける現代社会で必要とされているのは、さまざまなことに挑戦する機会とそこで得られる経験・知識、さらに世界に目を向けて対応・発信していく力です。これらの力を養うためには、純粋かつ柔軟でありながら将来と真剣に向き合っていく貴重なこの期間に、新しい発見に出会い、物事の本質を正しく捉えられなければいけません。そのために本校では、独自の取り組みを豊富に用意し、より有意義な成長を促しています。
大学の学部・学科への理解を深めるための「系統分野別大学講義体験」や、より専門的な研究・実験を軸に展開する「高大連携講座」の実施。さらに企業と連携して行うプログラムでは、各企業の方々に講義を行っていただき、仕事を通して感じる社会との接点やキャリアデザインの描き方、生涯にかかる費用、人生プランについてなど、非常に現実的で有益なお話を聞くことができます。こうした取り組みを通して、これから自分が歩む道を計画的かつ長期的な視点で見つめ直し、一社会人としての自立を促していきます。
特に力を入れているのが「自分の成長を確認するプログラム」です。クラブ活動や学校行事など高校生活におけるあらゆる活動を記録する「夢をかたちに」(オリジナル冊子)、自分のスケジュールを管理する「なりたい自分になる手帳」を導入・活用し、日々積み重ねる経験や細かな目標などを可視化していきます。これにより自分の成長や努力目標が明確になり、充実した高校生活を送ることができます。
また、近年導入した「探求」というプログラムでは、科目横断的に視野を広げ、個々の関心や興味を見出すことを目的としています。これはある議題やテーマに対して、グループもしくは個人で仮説や見解を発表し、みんなで意見を交換し合うというもの。自分が興味のあることだけでなく、いま社会で問題視されているテーマなど幅広いジャンルに視野を広げ、“自主的に考える力”を育みます。
系統分野別大学講義体験

大学の学部・学科への理解を深めるために、大学の先生方に豊島学院で講義を行っていただく毎年恒例の体験講座です。大学で行われている講義を早い段階から体験することで、学問の内容と職業の関連性が理解でき、卒業後の進路について深く考えることに役立ちます。
高大連携講座
最近の2回は明治大学理工学部の先生から、専門的な内容として実験を軸にした講座を展開していただき大変好評を博しています。科学技術、理科などの専門的な研究を行っている大学との連携は、生徒が興味や関心を持っている分野でもあるため、学問的な探究心が一層高まります。
大正大学とは特に個人探究分野で、課題設定や情報収集法などのアドバイスをいただきながら連携して進めています。企業の方々との連携もしながら探究活動が毎年活発になっています。
大学受験ガイダンス
2年生向けに大学生メンターを招き、「3年生としてこれからの受験勉強をどう進めて行けばよいか」として講演してもらいます。高校3年生当時の1年間を振り返りながら、様々な成功体験、失敗体験を語ってもらい、現役生徒の自主性を促すための良いきっかけとなります。先輩方の様々な経験や勉強方法、モチベーションの保ち方や普段の生活の送り方など、様々な質問が積極的に飛び交う場となっています。
自己分析講座
2年生を対象に志望理由・自己理解講座を開催しています。「進路選択はまだ先」、「推薦入試を利用するつもりがないので必要ない」と考えていた生徒達でも、講師の方のお話から「志望理由をしっかりさせることが、入試の場面だけでなく、進学後の就職活動にも生きてくる」ということを実感し、意欲的に取り組むようになります。講座を通して、自分自身の価値観・体験などの情報をどのように整理し、まとめ、補足したら良いのかについて、考え方・ポイントを知ることができます。
企業との連携プログラム 住友商事(株)「Mirai School」
住友商事(株)キャリア教育支援プログラム「Mirai School」を開催しています。仕事を通じて感じる社会の変化や、未来に向けた取り組み、キャリアデザインで大切なこと等を熱く語ってもらいます。生徒からは、「自分の苦手にどう対応していますか?」「商社に勤めたいと思ったきっかけは何ですか?」等、様々な質問が出ます。これから待ち受ける受験期やその先の人生において、前向きに生き抜くためのヒントを沢山教えてもらえます。
企業との連携プログラム ソニー生命保険(株)「ライフプランニング授業」
ソニー生命保険(株)のライフプランナーの方をお招きし、人生においてかかる費用などについて講演をしてもらいます。架空の世帯を設定し、「家は賃貸か、購入するか」、「車は購入するか」など具体的な人生設計を生徒たちにアンケートで決めさせて、収支の計算をします。家計を赤字にしないためにはどのようなプランを立てるべきか考えることで、生徒たちにとって、未来について具体的に考える良い機会となります。「人生100年時代」と言われていますが、人生の選択肢を増やすためにどのような行動をとるべきか学ぶことができます。

自分の成長を確認する多彩なプログラム
オリジナル冊子の「夢をかたちに」、スケジュールを管理する「なりたい自分になる」手帳を活用して、PDCAサイクル『Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)』の4段階を繰り返すフレームワークを取り入れています。クラブ活動や学校行事、学外活動も含めてさまざまな高校時代の活動記録を蓄積したり、「SDGs」の視点、ディスカッション、小論文模試、ICT利用時にも活用し、自分の学習過程を客観的に把握します。
例えば、学校行事にどう関わりたいか、何を学んだのか、それをどう生かしていきたいか、改善するところはあるのかなどPDCAサイクルを繰り返し行い、習慣として身につけていきます。学校生活をキャリア教育のひとつとして捉え、言葉で振り返り、「主体性を持って協働して学ぶ態度」と「思考力・判断力・表現力」を磨いていきます。