社会が変化しても活躍し続けられる人材へ
豊島学院高校は、国や社会の要請に応じ、商業や工業といった実学分野の教育に力を注ぎ、高度なスキルを備えた人材を数多く輩出してきました。この実学重視の精神は創立以来、脈々と受け継がれ、現代においても社会で生き抜く力を養う教育を実践しています。
これまでに巣立った卒業生は約4万人。国内外のさまざまな分野でリーダーとして活躍し、社会に貢献しています。「質実剛健」を校是とし、誠実で心身ともにたくましい人間の育成を目指し続けてきました。その歩みは決して派手ではありませんが、卒業生の活躍こそが、その歩みの確かさを物語っていると自負しております。
本校には、前向きで明るく元気な生徒が多く集まっており、どんなことにも本気で打ち込むことのできる雰囲気があります。部活動や学校行事も大変盛んで、運動部・文化部問わず、互いに切磋琢磨しながら目標に向かって努力する姿が日常の風景として根づいています。体育祭や文化祭、合宿行事などでは、学年の枠を超えて先輩と後輩が協力し合い、深い絆が育まれています。自分自身を探求し、やりたいことになんでもチャレンジできる場所、それが豊島学院です。欲張りなほどに多様で充実したカリキュラムを取り揃え、生徒一人ひとりが自分に合った学び方や進路を見つけられる環境を整えています。
私たちが今生きている社会は、「VUCA」と呼ばれる、予測困難で変化の激しい、複雑かつ不確実な時代に突入しています。このような時代を生き抜くために必要な力は何か。それは、「自分の軸」をしっかりと持ちつつ、時代の変化を柔軟に受け入れ、対応し、自ら考え行動していく力だと私たちは考えています。
年齢を重ねるにつれて、経験や知識、スキルが蓄積され、それに伴い、選択できる進路の幅も広がっていきます。しかし、その中で自分は何を大切にし、誰にどのように貢献したいのか、その軸がなければ、本当に納得のいく進路選択はできません。私たちは、生徒一人ひとりが「自分の軸」を見つけ、その軸をもとに、状況の変化に応じて柔軟に目標へのアプローチを変えられる力を育んでほしいと願っています。本校の教員は、生徒一人ひとりの個性や夢に真摯に向き合い、その進路や将来を共に考え、寄り添いながら支えています。生徒の可能性を信じ、その可能性を開花させるために情熱を注ぐ。それが私たちの教育の根本にある「想い」です。こうした教職員の存在もまた、本校の誇りのひとつです。
本校は、伝統を大切にしながらも時代の変化に応じて、教育のかたちを柔軟に変革し続けています。これからも、より魅力ある学校、より力のつく学校へと進化してまいります。どうぞこれからの本校にご期待ください。
未来をともに創り上げていく仲間として、本校の門をたたいていただければ幸いです。
豊島学院高等学校 第21代校長
森 暁